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ごあいさつ

 現在わが国は世界有数の長寿国となっています。その背景として、食生活の改善による免疫系の働きの向上とその結果としての感染症の減少も重要な点の一つに挙げられます。本学会は、このような食品の免疫系に対する有益な作用を科学的に実証することを目的として設立されました。そして、会員の皆様によって免疫系に対する食品の有益な作用について数多くの新しい研究成果が発表されてまいりました。本学会として、皆様の御協力に深く敬意を表する次第です。

 免疫とは病原微生物やがんなどの脅威から身を守る働きであり、その働きが、たとえば食のバランスの破綻、老化、ストレスの増加といった要因により低下すると、感染症、がん、さまざまな生活習慣病などを発症するリスクが増加するといわれております。また、免疫系は複数の細胞から成っており、そのバランスがくずれると、たとえばアレルギー、自己免疫疾患などの発症リスクが高まることが示されています。

 これに対し、食品にはさまざまな作用が認められ、その適正な摂取により免疫系の働きを正常に維持することが可能になると考えられます。したがって、免疫系を調節する作用をもつ食品を食生活に取り入れ、免疫機能低下を予防することにより、健康的で質の高い生活を送ることができると期待されます。

 さらに、最近の研究の進展により、アレルギーなどの原因となる免疫現象である慢性炎症が、動脈硬化やアルツハイマー病などの循環器系、神経系の疾患の原因となること、そしてこの慢性炎症の抑制にも食品が大いに関わっていることが明らかとなってきました。このことは、食品免疫学研究の範囲が広がり、その重要性も増加しつつあることを意味しています。

 このような社会情勢を鑑み、食品免疫学を新しい科学分野として確立し、その関連分野を進歩発展させるために、平成16年に日本食品免疫学会が設立されました。設立以来、食と免疫に関心のある研究者や企業の積極的な参加を募り、学術集会や講演会などを通じて、食品の免疫調節機能の評価基準や評価方法について議論を深めてまいりました。また、得られた研究成果は、学会ホームページや会報などを利用して広く発信してまいりました。

 以上申し上げました本学会の理念をご理解いただき、一人でも多くの方が本学会の活動にご参加くださいますよう、心からお願い申し上げます。

 おかげさまで、本学会は本年で10年目を迎えることになり、その記念事業を計画しております。これについては、後記した「食品免疫学会10周年記念にあたって」を御覧いただければ幸いです。

平成26年4月20日
日本食品免疫学会会長  上野川 修一

日本食品免疫学会(JAFI)設立10周年にあたって

 日本食品免疫学会(JAFI)は平成26年10月20日をもって設立10周年を迎えることとなりました。これも偏に会員の皆様のご理解と強力なご支援によるものであり、心から感謝申し上げます。

 本学会の設立目的は、調査・研究によって食品中の成分の免疫系に対する作用を明らかにし、その成果を基盤に免疫系の働きを的確に評価する方法を確立し、それを世界の人々の健康増進に役立てることにあります。設立以来10年間、会員各位から、この目的達成に向けて学会活動への力強いご協力、ご支援をいただきました。そして、本学会は皆様のご協力のおかげで、この10年間学術大会の開催、研究会活動等を通じて優れた研究成果を社会に向けて発信することができたと確信しております。

 また、こうした活動のなかで、私どもは食品免疫学、そしてその関連分野の研究に大きな新しい潮流のあることを感じております。たとえば、食品成分と免疫系との相互作用について分子および細胞レベルでの理解が可能となり、近い将来その成果に基づいて食品と健康との関連が詳細に明らかになるものと期待されます。

 さらに最近では、免疫系の反応である炎症、特に慢性炎症がアレルギーや自己免疫疾患のみならず、たとえば動脈硬化、アルツハイマー病、肥満などの循環器系、脳神経系の疾患の原因であることが明らかとなってまいりました。しかも、これらの疾患と食品成分との関係が次第に明確にされつつあります。このことは、食品によるこれら疾患の発症リスクの低減が可能になることを意味しております。すなわち、本学会の研究活動の新しい地平が正に開かれようとしていると考えています。

 こうした中、本学会は設立10周年を迎えたことを機に、さらに未来に向けて活動を開始するべく決意を新たにしております。
本学会では、10周年記念事業として下記のような活動を計画いたしました。

  1. 次世代シンポジウム開催
  2. 10周年記念学術大会開催 テーマ「未来を創る食品免疫学」
  3. 食品免疫学懇話会開催
  4. 「食品免疫学の歩み」作成
  5. 講演記録集Vol.2 (2010年~2014年)作成
  6. 免疫調節作用評価法の試案策定
  7. 宿泊セミナー開催
  8. 「10周年記念会報」発行

 設立10周年記念事業の運営に携わる実行委員一同は、これらの計画を成功裡に実現させるため邁進する所存でおります。会員の皆様には変わらぬご協力とご支援を改めてお願いする次第です。よろしくお願い申し上げます。

平成26年4月20日
日本食品免疫学会会長  上野川 修一