日本食品免疫学会
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ラフィノースの抗アレルギー免疫調節作用

名倉 泰三
日本甜菜製糖株式会社

近年、先進国においてアトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー疾患が増加している。腸内フローラは免疫系の構築に重要であり、アレルギー発症との因果関係について研究者の関心が集まっている。腸内フローラの細菌構成は、食事成分の影響を受けるが、中でも難消化性オリゴ糖の摂取は、ヒト腸内のビフィズス菌の増殖に有効であることが、広く認知されている。我々は、ラフィノースの投与により、アトピー性皮膚炎(AD)が改善する症例を認めている。本疾患は、食品抗原やダニなどの環境抗原に対するTh2応答の亢進が端緒となっている。本発表では、東京大学食品生化学研究室との共同研究としてTh1/Th2免疫応答を中心にラフィノースの作用を紹介したい。

食品アレルギーモデルとして好適なオボアルブミン(OVA)特異的T細胞レセプタートランスジェニックマウス(OVA23-3マウス)に、OVAとともにラフィノースを添加した飼料を与えると、OVAを与えた時に観察される強いTh2(IL-4産生)応答が、腸間膜リンパ節において有意に低下した。また、このマウスの特徴として、Th2応答の後に、血中IgE濃度の上昇も誘導されるが、ラフィノースを与えたマウスでIgE値の上昇は低く抑えられた。また、腸管免疫系の抗原提示細胞の変化にも注目し、ラフィノースを与えたBALB/cマウスのパイエル板細胞では、IL-12産生が有意に増加することを認めた。

また経口免疫寛容の誘導にも作用することが分かってきた。抗原の経口投与とアジュバント免疫を組み合わせた経口免疫寛容のモデル実験において、難消化性メリビオース(ラフィノースの部分分解2糖類)を与えたマウスの鼠蹊部リンパ節細胞は、経口抗原に対する増殖応答性やIL-2産生応答が有意に低下し、寛容誘導の促進が示唆された。

ADに関しては、難治性で患者背景も様々であることに留意し、この分野では主に専門開業医にラフィノースを紹介し、役立てて頂いている。

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